フランスでアルティメット男尊女卑の国だと有名な日本。そこで日本人男の苦しみを説く2冊の本を紹介するよ。

日本って男は得で女性は損ばかりする超超男尊女卑の国なんでしょっというフランス(というかパリ大好き系)日本人女性とフランス人の声に

お応えして、日本の男の苦しみを説く2冊の本を紹介します。

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1.モテる構造: 男と女の社会学 おススメ度☆☆☆☆☆☆☆

東京学芸大教授の山田 先生による1冊。社会学の領域からバサバサと切っています。

55ページ
女性が経済力をつける一方で、結婚相手の男性に年収にこだわる女性は以前として多い。
このような女性の意識にさらされ、フリーターなど非正社員で収入の低い未婚男性たちは、結婚を先送りしているうちに、結婚すること自体に自信をなくしてしまっているのです

70ページ
恋愛や結婚に限らず、職場や広く社会においても、人間関係で傷つくことを過度に恐れてしまう男性が増えていて、それがちょうど、「結婚」が人生のテーマに挙がる年代である、いまどきの二十代、三十代の特徴の一つであると思うのだ。

94ページ
「三高」と、「3C」「三低」を比較すると、一見、女性が男性に求める条件は変わったと感じるかもしれない。だが、よくよく見比べてみると、高身長に目をつぶったぐらいで、男性に経済力や安定を求めている点に変わりはない。むしろ、それに加えて、家事協力や女性に対する真摯な態度など、新たな条件がプラスされているのだ。実はハードルは上がっているのである。

144ページ
「男性はつらさや苦しみを自分で背負い込み、1人で解決しなければならないと思ってきた。誰かに助けを求めるという考えもない。だから、悩みを誰にも相談してこなかったし、そんな相手もいない」
それまで何人かの社会学者から、そう聞いてきた。

対する女性はどうか。
少なくとも、私の知る限りでは、既婚女性は夫の浮気話を打ち明けて、錨や悲しみを堂々とあらわにするし、独身女性なら、片思いの男性が振り向いてくれないせつなさをとうとうと語り続ける。男と女は違う、と感じてきた。

フランスでは絶対語られることのない日本人男性の苦しみが語られています。

日本人男性の苦しみ

【1】経済力と安定にこだわる女性の意識が強く、自信を失くす

【2】弱音を吐いてはいけない。悟られてはいけないという価値観が支配しており、相談もできない

早くも2つでてきました。

そのあと気になったのはこちら。
よく日本では男性は毎晩キャバクラやクラブに行くと、フランスでは言われています。

それは日本の男性が幼稚で女性とコミュニケーションを取れないからだとされています。

それに対する反論というか異説がこちら。

155ページ
日本の男性には「三人のママ」がいるとも言われる。すなわち、母親と妻と、飲み屋の「ママ」だ。
(中略)DVや離婚、パワハラなど深刻な問題は別として、ちょっとした職場や家庭の愚痴ぐらいは、三番目の「ママ」に受け止めてもらい、そこそこストレスを解消して、バランスをとっている男性も少なくないだろう

これ読んで思ったのは、日本で男性って逃げ場なくね!??ってことです。
周りに相談できないし。
あと日本って女性と男性の距離があるんで、女性に相談ってのもできないんですよね。
男性同士だと相談=負けみたいなところあるし、女性には相談できないし。

そこで、キャバクラやクラブでいろいろ話すんでしょうね。

キャバクラやクラブが言いか悪いかは別の問題としてこういった男性の周りの環境の問題も知っておくべきでしょう。

日本人男性の苦しみ

【3】気持ちの逃げ場がない。

次に気になったのは下の文章。

162ページ
メンズリブの主張には、男性がこれまで社会で中心的な役割を担ってきた、言い換えれば、男性が手にしてきた”特権”を認め、問題視したうえで、その”代償”でもある旧来の「男らしさ」の呪縛からの開放を求めるものもあれば、”特権”を棚上げし、ただ男であることの”代償”だけを主張するものもあるからだ。

メンズリブとは・・・・メンズリブ(英語: Men’s Lib、 Men’s liberation)は、狭義では、男性がその性規範を批判的にとらえ男らしさからの解放を訴える思想や運動のことである。日本語では、男性解放論、男性解放運動。

引用元ーメンズリブ-Wikipedia

『メンズリブ(男性解放論)は男性のデメリットだけ言っているものがあるけど、メリットも言わなきゃだめでしょう。』と著者は言ってます。
わたしはこれには賛同しかねません。

いまの日本はどちらかというと女性であることの”代償”であることを取り上げているからです。
男性の話は表にすら出てこない。

女性であることのデメリットがやっと出始め、それはおかしくない?ってなり始めたばかりです。

だからメンズリブなんてまだまだその主張すら知られてない。

男性が”男性”であることの”代償”に気づき、おかしいと思い始めたときこそ日本の男女平等の問題は前進するのではないしょうか。

男性と女性の役割分担をした日本のむごさが際立つ文章がありました。

男性は、男性というアイデンティティを保つためには、収入という点で社会的に評価され、競争がある市場労働を行い、他者に勝つことが求められる。つまり、外で仕事をしない男性は、社会的評価が伴わず、男性の中でのランクをつけようがなくなる。

128ページ
男性は中高年の自殺率が特に高い。1998年以降、この世代の男性の自殺が多いのは、リストラや事業失敗などで、いままで「できる」と評価されていた男性がその評価を失ったからである。仕事の世界で評価を失った男性は、離婚されて親密な対象を失う可能性にも晒される。

ホームレスに男性が多いのも、社会的に定職のない男性を受け入れてくれる人が少ないからである。そして、ひきこもりに男性が多いのも、仕事能力がなければ、男性として価値がないというプレッシャーが効いている。

129ページ

現実に競争世界を降りてしまえば、男性として認められないために、女性の性愛の対象から外れてしまう。その結果、結婚できない、離婚される確率が高まる。そして、男性からも男性として認められない。

ここから分かる苦しさは・・・以下のとおり。

日本人男性の苦しみ

【4】仕事ができるか?稼げるか?で女性や社会からの評価が決まる

【5】1度競争から外れるor負けるとと女性の恋愛対象外となる

これだけ見ても日本が男性にとって生きやすい国かと言われるとYESといえないですよね。

が、しかし、フランスでは、むちゃくちゃな理屈がまかりとおっています。

日本の婚姻率や出生率が下がっているのは日本人男性が女性とコミュニケーションが取れないくらい幼稚だから。
日本人男性がまともに女性とコミュニケーションを取れるようになったら婚姻率&出生率は上がる!すべて日本人男性のせい。日本にひきこもりが多いのは日本人男性が女性とコミュニケーションを取れず小さな女の子としてコミュニケーションを取れないロリコンだから。すべて日本人男性のせい

このような言説がまかりとおっているのがフランスでの日本人論界隈です。

ひどすぎます。
ありえない。

それを強烈に後押ししているのが在フランス日本人(8~9割女性・・・)です。

日本ブランドのおかげで生活しているのにも関わらず、当の日仏関係・相互理解を邪魔しているのは言語道断です。

下記の文章では、できない男性に焦点が置かれています。

130ページ

以上を鑑みると、近代社会のジェンダー構造のもとで、男性が得にみえるのは、「できる男性」に焦点を当てた場合である。しかし、「できない男性」に焦点を当てると、今のジェンダー構造は大変損にみえる。仕事で活躍したい女性から見れば、女性であることを認められるために余分な努力をしなければならない分、男性に比べ損していると思うだろう。仕事ができなくても、多様な道があると思えば、男性に比べ得と思えるのである。

「男性が仕事、女性が家事」を反対側から見れば、男性は女性の稼ぎを期待しない、つまり、親密領域で、女性の稼ぎを期待する男性は「男性らしくない」「女性に対して愛情がない」と言われることを意味している。そして、女性は男性に気遣いや世話を期待しないことが当然とされる。

日本人男性の苦しみ
【6】できない(稼げない・勉強のできない・運動のできない)と女性の結婚(恋愛)対象から外れる

山田教授は最後にこう述べています。これがすべてでしょう。

端的に言えば、欧米では、「できる」と「モテる」を切り離す方向で、男女のシステムの再編が進行しているようにみえる。一方、日本では、いまだ、近代的性別役割分業に基づく男女のありかたが強く残っている。

フェミニズム運動の浸透、そして、経済構造の変化によって、欧米では、近代社会の基本的なジェンダー構造が変化しつつある。女性も市場社会で活躍しなければ、経済的に豊かな生活どころか、生活するのも難しいという状況が広がったからである。「男は仕事、女は家事」とは言ってられないということである。

巷では、「日本もフランスに遅れて男女平等の意識が拡がってきた!」という説が有力ですが、わたしは違うと思います。

女性はいまだに男性に古い男性像を押しつけるし、男性もいまだに古い女性像を女性に押しつけてます。
けれどもお金がないので、女性は外に出て男性のぶんも稼がなくてはならなくなったってだけです。

実際問題、日本では男性が家事や育児をほとんどやっていません。

たいして変わってないですよ。

旧来の日本の男女観の良さを残しつつ、女性も男性も性に縛られず、選択できるようになるべきです。

フランスでは、1970年代以前、当時の日本以上に男女役割意識が強かったので(カトリックの影響もあり)、いったんぶち壊したんですよね。

その当時の世代の女性たちが50~60代となったいまでは結果として、女性が女性らしさから一歩引いているという状況になってるんです。

フランス人男性が変わったかというと・・・ある意味日本の男性より、権利は保持して義務は女性に押し付けてる面があるとわたしは思います。

2.男性漂流 男たちは何におびえているか おススメ度☆☆☆☆☆

本の名前がすごいですね・・・。
男性漂流・・・。

この本では『イクメンの男性』や『要介護者の親を持つ男性』の辛さや葛藤を説明しています。
まず冒頭でやはりこのひとこと。

20ページ
社会で活躍するようになり、女性が強くなった、変わったと言われて久しいが、結婚相手となる男性に求める条件では、年収や学歴、職業といった旧来の項目が実は今も幅を利かせている。

ほんっとにそう思います。

日本で男性である=稼ぐことが存在意義みたいになってますよね。だったら専業主婦ってなんやねん。って思いますけど。

なんで男だからって会社の奴隷になって朝から晩まで働いて、上司や取引先のいいなりにならんといけんねん。

かといって家では妻のほうが発言力あるし・・・。

ってなります。

夫はATMとか夫元気で居留守がいいとかフランスで聞いたことないですよ。
なんじゃそりゃっ!?って顔されましたもん。

日本では男性も変わらなきゃいけませんが、女性も変わらなければなりません。だれも言わないけど。
フランス情報を発信する日本人女性のおおくもこの点については絶対スルーですけど。

日本で女性であることのメリット と 男性であることのデメリット
も言わなきゃ、公平じゃないですよね。

自由・平等・友愛を自称する国から発言するなら平等な視点で発信して欲しいです。

要介護者をもつ男性の苦しみも語っています。

117ページ
中心的に親の介護にあたる中年男性にとって、要介護者と同居しているか別居しているか、また独身か既婚かに関係なく、仕事と両立させていくかは大きな課題だ。介護のための休業、時短勤務など制度のある企業は増えているが、実際には当事者が取得しにくい職場環境にある。介護者への職場の理解不足にどう対応していくかで、その後の暮らしも変わってくるのではないか。

120ページ
要介護度が上がり、しかも認知症を発症しているケースでは、一人で親の介護にあたる独身男性の苦悩はいっそう深刻だ。彼らには不慣れな家事に加え、仕事を続けることの困難が大きな壁として立ちはだかる。その結果、離職を選ばざるを得ないシングル男性介護者は年々、増加しているのである。

127ページ
高齢者を虐待する者の続柄についてだが、息子が41.6%と最も多いのだ。次いで、夫の18.3%、娘の16.1%、嫁の5.9%、妻の5.0%となっている(厚生労働省の2012年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養育者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」)。

これは盲点ですよね。
ただ近い将来、いまよりもっと独身の男性が親を介護していくことになります。

いままで妻に押し付けていた親の介護を自動的に独身の息子がやることになる。

周りに相談できない、会社でも男だから責任があるor満足した社会的地位がない

そのために虐待につながる。

これは社会問題でしょう。

まさにできる男性、稼げる勝ち組とされる男性にはメリットの多い日本ですが、その他大勢の男性にとっては苦しい国なんじゃないでしょうか。

日本人男性の苦しみ【7】
昭和の時代では妻に押しつけていた要介護の親を持ちながらも、早く帰宅できないor介護するだけの満足の収入のないというアリ地獄にいる

今回はこれだけでしたが、掘り起こせばもっとあるでしょう。

女性だけでなく男性にとっても生きやすい国になって欲しい。(女性にとっても生きやすい国なって欲しいです)

日本人は日本でしか生きられないのだから。
外国と文化が近くてことばも似ていてポンポン移住できる国民ならいいですが、わたしたち日本人には難しいですよね。

だからこそです。

以上っす。

もっと生きやすく。