忙しいあなたに送るフランスを知りたいならこの3冊!

忙しいあなたに送るフランスを知りたいならこの3冊!

1.フランス現代史 隠された記憶: 戦争のタブーを追跡する おススメ度☆☆☆☆☆☆☆

日本では通常語られることのないフランスの悲しい歴史の側面を知ることができます。

たとえば、第二次世界大戦時、ユダヤ人移送に自主的に賛成した、フランスの「ヴィシー政権」。その政府があった町ヴィシーとリーダーペタン氏が眠るユー島に著者が行きました。

そこの住民や大学教授やさまざまな政治団体と接していく中で、著者は、フランスに来た移民の中でも欧州から来た移民と、それ以外からきた移民の違いを述べてます。

141ページ
宗教や風習がフランスに近い欧州からの移民は、より「フランス人」になろうとすることで、自らの居場所を確保する。一方、文化的背景が大きく異なるイスラム系移民は、伝統的なフランスになじむには限界があり、結果として差別を受ける。移民が二極化する現実がある。

フランスの文化や価値観に同化している努力を見せることがフランスでは求められます(日本でもそうですね)。

「わたしはあのひとたちとは違う」アピールが大切になってくるわけです。

フランス国内は日本以上に多様性のある社会であり、複雑であることが分かります。

ほかにも

・アルジェリア戦争でフランス側で戦った兵士「アルキ」に対するフランスの冷遇
・第一次世界大戦で廃墟となりいまでも不発弾と遺骨で住めない村「オラドゥール村」

外国の話題となると正義と悪がいたという簡単な構図で考えがちです。
しかし本書を読むと、そんな単純なものではないことが分かります。

証言者であるフランス人が80歳90歳と高齢なことが気になりました。
直接話を聴けるいまの時代だからこそできる取材です。
その意味では著者の活動は素晴らしいものです。

フランスに関わる人であれば必読かと思います。

2.物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで おススメ度☆☆☆☆☆☆

フランスに関心がなくとも知っているフランス革命。
学校やどこかで聞いたことのあるフランス革命。

それについて書かれた本です。

難しい文章で書かれた本も多いですよね。
それは学術的には大切であるし専門書としては当たり前です。

でも一般的には『さて、フランス革命ってなに?』ってのがふつうかと思います。

わたしも正直よく分かってません。

この本では「フランス革命は、サーっと学校でやったよorWikipediaで見たよ』くらいの人向けにいろいろかかれてます。

フランス革命にまつわるひとのエピソードが秀逸です。

分かりやすい。

たとえば、

・女性も戦うべきだ!と民衆を鼓舞したが、女性の社会進出を警戒する男性革命家たちからはぶられ、最後は精神病院に収容された、高級娼婦テロワーニュ
・錠前つくりが趣味だったが機密文書隠蔽に関わったためメンタルがもたず、40歳で亡くなった、ルイ十六世の師匠、錠前師ガマン
・男装し戦った、フェルニッグ姉妹
・革命家の男性たちを引っ張っていった、ロラン夫人
・ルイ十六世を個人的に好きだったにも関わらず、処刑せざるを得なかった、カトリックのシャルルーアンリ

です。

また、ギロチンで処刑されたルイ16世はいま日本で言われるようなダメ王様でなかったと言ってます。これも驚愕の事実。

90ページ
何度も言うが、ルイ十六世は改革派の国王だった。フランス革命がルイ十六世の治世下に起こったのは彼が改革派の国王だったからだ、とも言えた。改革を行わねばならなかったが、王政の伝統にも忠実であらねばならなかった、二つの要請に引き裂かれ、ルイ十六世は方向性を見失ってしまった。

150ページ
ルイ十六世にはたしかに優柔不断なところがあったし、革命期には大きな誤りを犯した。しかし、なんとか国をよくしようと努力し、国民の幸せを願う気持ちも真剣だった。だから、最初は革命にも賛同した。力およばなかった善意の国王が、千数百年続いてきた王政の悪弊の責任を一身に負わされ、処刑されることになったのであった。

一般的なことばで読みやすいのがこの本の特徴です。
アマゾンの評価が高いのも納得します。

おススメです!

3.パリでメシを食う。 おススメ度☆☆☆☆☆☆

パリについて正直に書いてある本でした。

パリで活躍する日本人のエピソードが語られています。
そこで意外だったのが、多くの人が「別にパリやフランスにこだわりがあったわけではない」ということ。

著者もそのひとりです。
たとえば、

5ページ
思えば、昔はパリなんてまるで興味がなかった。綺麗なだけでツンと気取った街だろうと想像していた。フランス語のグジュグジュした響きも、仰々しいコース料理も、きらびやかなブティックも好きになれそうになかった。

6ページ
住み始めてすぐ、この街の日常生活にこまごまと苛立ち始めた。アパートは古くて陰気だし、日曜日はスーパーもデパートも閉まっている。カフェの店員は三回頼んでも水も持ってきてくれない。いくら待っても荷物の配達人はやってこない。

と述べてます。また、ほかの箇所でも、

122ページ
一般的に、フランスの小売業の接客態度は、かなり悪い。カミサマはお店側で、お客さんはお金を積んでそのサービスを利用させていただいている、という間違ったヒエラルキーが定着している。

とフランスの接客について否定的なニュアンスのことを言っています。(だいたいこういうとき、フランス万歳系の人は、フランスの悪い接客を正当化します。)

パリで生きる日本人の生のすがたに限りなく近いです。

平成22年に出版されたものですが、10年後20年後も貴重な情報源として読まれていくものでしょう。

おススメです!

以上です。

もっと生きやすく。

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