【書評】アダルト・チルドレンについて知る5冊

私はおそらくアダルト・チルドレンです。

アダルトチルドレンとは・・・

アダルトチルドレン(Adult Children)とは、「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」という考え方、現象、または人のことを指す。頭文字を取り、単にACともいう。英語圏ではAdult Children of Alcoholics(アルコール常用者の家庭で育った成人した子供)、ACOA、ACAと呼ばれる。

引用元-wikipedia

そこで関連書籍を読んでとくに良かった下記の5冊を紹介します。

アダルト・チルドレンについて知るための5冊

1.愛されたい、愛せない―アダルト・チルドレン おススメ度☆☆☆

アダルト・チルドレン(以下AC)について詳しく書かれた本でした。いやとっても分かりやすくかつえげつない事例が描かれています。
これ・・・わたしもACである可能性高いです…。

自尊心の欠如や、怒りを表現することができない等心当たりがあります。

この本では何度も出てくるACの方に向けられたメッセージがあります。

それは自分のせいにしないことです。

236ページ
暗い人間観をもっていても、絶望的な世界観を抱いていても、救いのない自己像に縛られていても、それはしかたがないことだ。それにはそれなりの体験があるのだから、結果だけを否定することはできない。大切なのは、自分がある見方に捉われているのを知ること、そして、その原因に気づくことだ。

その中での自分のケア・セルフケアについてたくさんのアドバイスが書かれています。

76ページ
愛の不足は世代を超えて受け継がれる。ACを生み出す背景は、親から子へと何台にもわたって伝えられてしまっていることも多い。これは世代間伝播と呼ばれるものだ。

78ページ
負の循環を繰り返さないためには、まず、傷つけられた自己像を回復させることが大切だ。自分の価値を信じる気持ち、自分を大切に思う気持ちが、すべての基礎となる。その礎の上に、対人関係や愛情関係、仕事や遊びなどの要素が積まれてゆくのだ

251ページ
自分をいたわり、大事にするのは生きるのに必要なことだ。これは失われた自尊心と自己愛を取り戻すための第一歩にもなる。(中略)自分で自分を愛するしかない。恋愛で求めればそれは必ず破綻する。まず、自分自身を十分に愛すること。

関わらない・離れるといったアドバイスは本当に身になります。

278ページ
回復のために、私の経験からいえるコツがいくつかある。ひとつは自分を否定する人とはつきあわないということだ。

ACが”サバイバー”と呼ばれるなんて知らなかったです。初めての発見。

251ページ
ACは”サバイバー”とも呼ばれる。これは”生き残った・生き抜いた人”という意味だが、心に傷を負いながらも、生き抜いてきたことへの賞賛も含まれる言葉だ。
数々のストレスを抱え、ハンディキャップに苦しみながらも生きている、ということは、それだけでも誇るに値する。

自分と自分の状況と周囲の人間の状況を空から見るように客観視できることが改善の一歩なんですね。

2.家族収容所―「妻」という謎おススメ度☆☆

4ページ
女性は「愛」と「性」と「結婚」の三位一体説を心の底から信じ、おおくはオットの仕事を優先順位させ、その上に自分の人生をゆだねていく。いったん家庭に入って仕事を捨て、育児に膨大なエネルギーを注ぐには、そのことを正当化し美化するイデオロギーというか信仰がなければ無理なのだろう。

この本も女性の家庭におかれた厳しさおその境遇についてこと細かに描いています。
三位一体説は本当にそのとおり。ちなみに本来の三位一体説の意味は下記のとおりです。

キリスト教において「父」と「子(キリスト)」と「聖霊(聖神)」が「一体(唯一の神)」であるとする教え。正教会・東方諸教会・カトリック教会・聖公会・プロテスタントといった大半の教派が、この教えを共有している。

引用-wikipedia

3.家族依存症 おススメ度☆☆☆☆☆

この本はすごい!
まず何がすごいかと言うと平成11年に発売された本なのにも関わらず、いまでも新しい視点をくれるからです。

つまり18年経った平成29年のいまでも日本社会が変わっていないことを証明しています。(それは悲しいことですが・・・)。

少子高齢化で社会の新陳代謝、変化のスピードが鈍くなっているんですね。

アジアのほかの国は変化しまくっているのに(韓国・台湾のぞく)、悲しいかぎりです….。

まずなにがすごいか要点をまとめました。

①アル中サラリーマンのやっかいな点を分かりやすく説明している
②そのアル中サラリーマンの親を持った子どもが苦しむメカニズムを簡潔にことばにしている

この二点ですね。

たとえばこんな感じ。

48ページ
母親は、父親に支えられていると感じるとき安らいでいます。そうした母親の幸せを見て、子どもは母親の腕から離れます。そして自分の道を歩き出した子どもの視野の中に、第三者としての父親が立ち表れてくる、というのが健康な心の発達です。

68ページ
(中略)実はもっともやっかいな「アル中」とは、こうした「背広を着てネクタイをしめたアル中」、別名「オフィス・アル中」なのです。(略)「オフィス・アル中」は家族に緊張をもたらし、次の世代にトラウマ(心的外傷)を負わせることによって、より大きな災禍をもたらします。

68ページ
現代の父親の多くは、職場で評価されることで、自分の役割を果たしきったように錯覚しています。このような父親たちの中には、真から家族と思えるのは職場の取り巻きたちだ、というような困った人もいます。彼らは、仕事が済んでから職場の議事家族と連れ立って飲み屋を訪れ、酔いの中で幼児的な自己愛に包まれて、心の安定を保っています。そのような場で、幼児返りしたサラリーマンの保母役を務める女主人は「ママさん」と呼ばれているわけですが、これは実に適切な呼称といえるでしょう。

アル中サラリーマンを一刀両断。

さらに社会問題とされる登校拒否にも一言。

91ページ
実際には、登校拒否などという病気は存在価値しないし、その原因となる単独の個人病理などは、身体的にも心理的にも存在するわけではないのです。強いていえば、学校制度という社会的制度があるから、登校拒否があるのです。学校制度への無批判な同調を強制する社会的圧力が、登校拒否をこじらせます。

登校拒否を問題視する社会の圧力。「地元の学校に行くのがあたりまえで、行かない子どもに責任があり、本人がおかしいのだ」という常識を批判しています

アル中の夫をもつ妻に対する描写もぎょっとします。

156ページ
(略)アル中の妻にはスキのない身なりをした美人が多いのです。(略)ただ、この御婦人たちについて、いつも異様な感じを受けるのは、彼女たちの表情の乏しさです。無表情というか、お面のような表情をしています。

わたしたちがイメージするある中の夫をもつ女性は、もういかにも疲れ果てて、身体中に傷を持っていそうなイメージですよね。
著者によるとまったく逆だそうです。
また表情の乏しさという点も怖いです。

フランス関係者と目を引くのは次の点

160ページ
私たちが「伝統的な日本の家族」と考えているものは、そういうわけで、近代的日本社会の産物なのです。明治維新から始める近代日本は、西ヨーロッパ風の階級社会とカイゼル髭を生やした支配階級の男たちを生みましたが、これに見合う形でレディやダームと呼ばれるヨーロッパの淑女たちの真似も始まりました。(中略)つまり近代日本社会は西欧文明の要素としての性差別主義も輸入したのだと思います。

フランス行くとまるで日本は「過去未来永劫超アルテイメット男尊女卑・女性差別社会」なのだという風に言われますが、どうやらその考え方は再検討する必要がありそうですね。
日本で女性が抑圧されていないと言いたいわけではありません。わたしが言いたいのは、「フランス含めヨーロッパが女性が権利を持ち解放された国」で「日本が女性を一方的にいじめている国」だという西欧中心主義かつ一方的な視点はおかしいよねっということです。

そんなかんたんに比べられないよねってことです。

日本人男性に関する視点がすっこ抜けてるねってことです。

たとえば次の指摘。

180ページ
日本人の自殺は、第二次第千五しばらくは青年期にピークがありましたが、今やはっきりと中年期以降の男性が要注意対象です。(中略)
182ページ
ある報告によると、四十代サラリーマンの多くが生活の中心を職場に置く一方、職場の人間関係や責任感に苦痛を感じている人が六十%以上に達しているといいます。中年男性の職場適応をテーマにした「上昇停止症候群」「昇進鬱病」「燃え尽き症候群」「休日神経症」「テクノ不安とテクノ依存症」などの耳慣れない「心の病気」が話題にされるようになったのも最近の傾向です。

こういう日本人男性、とくに中年期男性に関することってフランスと日本を比較する際にぜったい無視されるんですよね。
「どうせ日本のサラリーマンなんかこんなんだろ」みたいな雑な視点。

日本の女性・男性、親・子ども、どの面からもわかりやすく説明していました。

4.アダルト・チルドレン 癒しのワークブック おススメ度☆☆☆☆

下記の五つが印象的でした。アダルト・チルドレンの自分にとってはできていないことだらけです。
意識していきたいです。

95ページ
・他人の目を気にしない
・何をやっても、相手が相手の問題であってあなたの問題ではありません。
・最悪な事態を予測して、心配に心配を重ねて、何も手のつかないような状態になるのは、時間とエネルギーのムダ
・いやなときは「ノー」と言う
・他人の感情は他人に属するもので、それを取り上げてしまなわないようにしましょう。

5.子は親を救うために「心の病」になる おススメ度☆☆☆

まずタイトルが目を引きます。

内容は親から受けた影響によって社会的に「非常識」とされる考え方や生き方をもってしまった子どもを描いています。
個人的には「第四章 親とのつながりを持てなかった子の不思議な訴え」が心に残りました。
親に分かってもらえなかったことで、一般的に常識とされる感覚が薄くなってしまった人を説明しています。

周りの出来事や周囲の人が思っている”ふつう”のことに共感できない、極端に客観的に見てしまう症状です。
自分もその節があります。

勉強になりました。

シェアしていただけるとうれしいです!