【書評・フランス】フランスキラキラじゃない本当のフランスを紹介した4冊

巷にあふれるフランスキラキラ本。(フランスは天国のようでチョーオシャレでファッショナブル!!)

それとは一線を画す本を4冊紹介します。

本当のフランスを知るための4冊

1.フランス人の不思議な頭の中 山口昌子 おススメ度☆☆☆☆

フランスについていろいろな視点から説明されています。
詳しい内容も易しいことばで説明されていて読みやすかった。

ちまたにあふれる「フランスキラキラ~!」「フランスは女尊国家!、日本は男尊女卑国家!」「日本の男はダメ!」ではありません!
フランスの甘みも苦味もていねいに語っています。

フランスについて落ち着いて知りたい方におススメです。

18ページ
フランス人の枕詞には「エレガント」「粋でシック」「気障」、あるいは「老獪(ろうかい)」などがよく使われるが、「好戦的」という枕詞はあまり使われないようだ。ところが、実際は極めて「好戦的」な国民である。

モードやグルメなど文化面でのイメージが強く、どちらかというと軟弱な印象を与える「おフランス」の国民だと勘ちがいして接すると、ショックを受けること請け合いだ。

これは本当そうですよね。フランスが変な方向に美化されすぎなんですよ。日本では。
フランス人は戦闘民族ですよ。サイヤ人すよ。攻撃力高い。
ふつうの日本人が立ち向かっても、覇気と口のするどさで速攻惨敗ですね。

251ページ
老大陸ヨーロッパの中でも老大国フランスの住人であるフランス人のDNAには、様々な生き延びる知恵が刷り込まれているのかもしれない。
それが、いくつもの「七不思議現象」となって出現し、フランス人以外の人たちを戸惑わす結果になるのだろう。

フランスは多分、何年いても、永遠に「良くわからない国」であり続けるのだろう。そして、それが魅力なのか、「フランス人なんて大嫌い」と叫びながら、なぜか「フランスは第二の故郷」にいつの間にかなり、帰国しない外国人が多い。

フランスという国では、「どうしようもないトラブル」が毎日起こります。日本のように問題を事前に防止するという意識がないからです。
自分ですべて解決する必要があります。そんな国では、生き延びる力≒サバイバル力が身に付きます。

ほかにも人として大切なことをたくさん学べる国です。
一筋縄でいかないフランス人たちから得るものは多くあります。

2.フランス人の流儀―日本人ビジネスパーソンが見てきた人と文化 立花英裕 おススメ度 ☆☆☆

フランス関連の仕事に携わる日本人が様々な角度から日仏の文化の違い、仕事の違いを紹介されてます。
フランスを多少知っている方向け。

3.なぜ、フランスは一目置かれるのか 山口昌子 おススメ度 ☆☆☆☆

この1冊もフランスの内情を知るには素晴らしい本でした。
また日本人が海外映画でどのように描かれているのかについて述べているのも日本人なら知っておくべき。

そこには正直日本人としては憤りを覚えるような日本人に対する描写がされていることが少なくありません。

山口さんは以下のように述べています。

pp..235
『カンヌに登場した日本”蔑視”映画』
2009年の5月開催の第62回カンヌ国際映画祭(中略)スペイン映画「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」が出品され、前評判では菊池さんが女優賞の候補に挙げられていた。
その期待の作品の冒頭に登場したのが、日本企業が外国人を接待するシーンだ。ヌードの金髪少女の体の上に、すしがずらりと並ぶ”女体盛り”とかいうシロモノ。

(中略)日本女性としては「国辱」しか感じなかった。(中略)最も納得しがたかったのは、殺し屋を生業とするほどの日本女性が殺しの標的のスペイン人になぜ、一目ぼれしてしまうのか、という不自然さだ。相手がワイン店の店主というだけで「すてき」と思うほど、日本女性は外国人、特に白人男性に弱いと皮肉っているのだろうか。白人といってもこのスペイン人の男は髪も黒く、メタボ体形の普通のおじさんだ。それだけに余計に日本女性に対する蔑視に思えてくる。

ここで述べられている日本”蔑視”映画はスペイン映画でしたが、フランス映画でも”日本女性蔑視”映画はあります。

簡単にやれるとか判断力がないとか、従順とか物みたいな扱いを受けてる描写を見ます。
「これは日本人に見せたらあかん・・・」って基準が分からないフランスの方も多く、見せちゃうんですよね。

見せられたわれわれ日本人側からすれば

「はっ!?これ明らかに蔑視やん」

ってなるんですよね…

4.シャルリ・エブド事件を考える おススメ度 ☆☆☆

シャルリ・エブド事件についていろいろな方から意見を集めたものです。

シャルリ・エブド事件とは???

フランスで起きた新聞社を襲撃した事件です。
その新聞社の名前がシャルリ・エブド社という名前でした。

シャルリ・エブド社は過激な絵や論評で有名でした。

2015年1月7日11時30分 (CTE)にフランス・パリ11区にある風刺週刊誌を発行している「シャルリー・エブド」本社に覆面をした複数の武装した犯人が襲撃し、警官2人や編集長、風刺漫画の担当者やコラム執筆者ら合わせて、12人を殺害した事件、およびそれに続いた一連の事件。報道と表現の自由をめぐる議論が起こった

引用元-Wikipedia

このときにフランス全土で「わたしはシャルリだ」というスローガンのもとデモが行われたんですね。

表現の自由を守るんだ!っということでした。

しかしながらこの新聞社…『宗教をばかにした』り、『外国の地震などの災害をおちょくった』りしてきたんですよね。
それも度が過ぎているし本来の主旨である『表現の自由』から離れすぎてるんですよね。
正直『悪趣味』で『気分が悪くなる風刺』ですね…。

だからわたしはそんな「シャルリ・エブド社」をを全面的に熱狂的に擁護する一部の方の考えが理解できませんでした。

この本では、師岡カリーマ・エルサムニーさんという方の文章が必見です。
シャルリ・エブド事件当時のフランスの雰囲気を的確に表しています。
《私はシャルリ》と意気揚々と掲げていた日本人の方々に読んで欲しいですね。
私は「福島の事故をバカにした」シャルリは嫌いです。《私はシャルリ》とは口が裂けても言いたくありません。

日本では《私はシャルリ》と声を挙げればそれは《勇気》だとか《表現の自由を守ることだ》という意味になりますが、

事件当時のフランスではなにかそれを言わなければ「非国民」のような恐怖を感じました。

けっこう黙っているフランス人もいたんですよね。
冷静というか一歩引いてる人たち。
事態を見極めるために静かにしているフランス人。

わたしはむしろそっち派です。

感情的にワーッとなることが必ずしも正解だとは思いません。

40ページ
対テロ連帯の合言葉は、連帯どころか分断の要素を含んでいる。《私はシャルリ》は、たとえそれが提唱者の意図ではなくとも、「私はどんなに抗議されても世界のムスリムを侮辱し続ける新聞を応援します」と解釈することができるからだ。
(中略)
まるで踏み絵の現代版のような《私はシャルリ》には、明らかに分断の種があった。

わたしも同じことを思いました。

以上です。

もっと生きやすく。