フランスの子育てとフランス人の日本への労働観がつかめるのはこの2冊!

どもつなぎです。

本ばっか読んでます。

フランスの子育てとフランス人の日本への労働観がつかむための2冊

1:パリの子育て・親育て

フランスの子育て・教育環境を絶賛していないことが逆に信用できます。

7ページ
図らずもフランスで子育て体験ができたことは、異邦人シングルマザーでダメ母候補ナンバーワンの自分には幸運なことだった。
政府の援助が手厚く、社会全体が子育てに理解があり、マイペースな子育てもしやすいというのは大変ありがたかった。

本書はフランス子育て事情の絶賛本ではない。
ネガティブに見える点についても、遠慮なく言及した。

外国で子育てって想像できませんよね。

ただでさえ大変で人一人の人生を決める子育てなのにそれを外国でやる。

異邦人である著者でさえも幸運だったと語るフランスの子育て事情がわかります。

①まずフランスの子育ての事情を知る

前半はフランスの子育て環境が垣間見えます。

日本の通説や常識と比較しているので分かりやすい。

ここらへんは一方的にフランス人の方が語るより伝わってきますね。

17ページ
「充実の援助政策」
検診代や出産費用は無料。10万年の出産準備金、3歳までは毎月約2万円の乳幼児手当て。

第二子には約1万5000円、三人目には約1万8000円の手当て。

PMIと呼ばれる母子保護センターでは、乳幼児の検診や授乳指導、子育て相談が受けられる。

また尿失禁や臓器下垂を防ぐための運動療法氏による産後の骨盤底リハビリテーションにも処方箋が出る。

これらのサービスも無料。
出産は無痛分娩。

日本との差

まず根本的な社会からの支援が違います。

別格。

隣国ドイツ・イギリス、アフリカとの力関係から人口減少はなんとしても避けなければならないフランス。

女性運動の発展もあり社会的な支援が厚いです。

日本も少子化が社会全体の問題で日本の国際影響力の弱体化につながることがもっと分かれば違うのでしょうね。

会社で正社員として働いてる男だけが国を支えているわけではないことに早く気づくべきです。

19ページ
働く母親に余計な罪悪感を植えつけかねない「三歳児神話」も問題だ。
フランスではたとえ0歳児であっても、託児所に預けることにためらいがない。

日本だと「親なんだから赤ちゃんとずっといろ!」と外野がうるさいですからね。

カップルでいることにこだわり、なおかつ女性の職場復帰を至上とするフランスでは託児所も当たり前の選択肢。

著者はフランスでの出産の悪い点も挙げています。

23ページ
「出産にまつわるしんどさ フランス」
①産院予約の難しさ。
②せっかく検診を通して信頼関係を築いてきても、バカンスやストライキで突然に担当医や麻酔しがいなくなることがある。

ここはフランスお決まりのサービスの質の悪さや雑さ・正常に機能しない機関ですね。

権利の主張と権利の主張がつねにぶつかっている国。(もちろんわたしは日本の黙殺される権利の風習はキライですよ)

だからバカンスやストライキでお医者さんがいなくなっても文句は言えません。

日本のお医者さんの勤務時間なんか考えるとよっぽど人権がありますね。

38ページ「周囲からの同調圧力?」

1960年代はウーマンリブ運動に火がついた時代。
女性の社会自立の気運が醸成したことで、「母乳育児=女性を家に縛りつけるもの」と考える女性が現れたのだ。

現在でも出産後の職場復帰は女性にとって「当然の権利」であり、母乳育児は職場復帰の足かせになるからと、早々とミルクに切り替える女性が多い。

86ページ「恵まれているぶんキツイ一面も、フランスの母親事情」

「フランスの女性は恵まれている」と感じることがしばしばだ。しかしフランス人女性とて苦労がないわけではない。

よく見ると日本にはないタイプの圧力が、女性の肩に重くのしかかっているようである。

なぜならここでは、母親であると同時に職業人としても女性おしても輝いていることが、強く求められているからだ。

良き母であっても仕事をしていないと物足りない。素晴らしいキャリアがあっても女を忘れていては失格。
フランスでは、出産が職業人や魅力的な女性であることを諦める言い訳には成り得ない。

それがともすると一般の女性にさえ無言のプレッシャーとなって、必要以上に子育てをするママ達にムリをさせている面があるのかもしれない。

子どもが産まれたらお母さんになることとくに専業主婦になることを求められた従来の日本型
子どもが産まれても彼女でありきれいであること、男性同様キャリアを成功することを求められるフランス型

まったく異なりますね。

フランス社会にいるからこそ見えてくる視点を伝えてくれる著者には感謝しかありません。

②フランス人の気質にも言及してる

「意見の尊重という名の暴走」

日本的価値観で生まれ育った方にはこう思う方も多いはず。

シャルリー・エブロ事件の風刺画や普段のフランスのものの言い方で感じるかたもいたでしょう。

著者とそのパートナーでも子育てでそんな日仏の考え方の違いを物語るエピソードがありました。

116ページ
ジル(筆者さんのパートナーフランス人男性)としては子どもでも1人の人間として意見を尊重するのが重要だ。
一方、私には、場合によっては子どもの意見を無視してでも、親切にすることを教える方が重要だ。

もしかすると、フランスにはわがままな人間が多く、日本には自分の意見が言えない人間が多い理由の一端は、このあたりに隠されているのかもしれない。

「C’est pas ma faute私のせいじゃない」

フランス人が口にする言葉で1番嫌悪感を抱きます。

こちらが別に責めてるわけでも、攻撃しているわけでもないのに言ってくる。

それに間違いを犯したフランス人が言ってくるんです。それを言うのはわたしの立場だ!!

ゼッタイ周りのせいにする。

そのあと言い訳してくるんですよ。

日本では「見苦しい。潔くない。」と教えられてきたのでびっくりしました。

著者も娘さんの「C’est pas ma faute 私のせいじゃない」発言に嫌な感じがしたそうです。

152ページ「セパマフォット」と言わないで
「C’est pas ma faute私のせいじゃない」「 C’est pas grave 大したことじゃない」
という意味。
両者とも責任逃れのニュアンスがぷんぷん漂う。

きっとわが同胞、在仏日本人たちの嫌いなフランス語ベストテンの堂々上位にランキングするのではと、勝手に思っている。

2:出る杭は打たれる―フランス人労働司祭の日本人論

1970年代80年代の約20年間川崎横浜の下請け会社で働いたフランス人の日本評論。

教養のあるフランス人が日本に抱いている労働に関する疑問を描いてます。

訳者はおわりにこう書いてます。

257ページ
ここには大企業労働者やサラリーマンはほとんど登場しない。

小企業、下請け企業で汗をながし、生き、闘う労働者の姿、アンドレ神父が生活を分け合った人々の姿がかれの驚きとともにつつしまやかな文体で描写されている。

日本の外からなかなか見えない日本の下流と呼ばれる人たちをフランス人視点で語った1冊。

注目ポイントを5つ紹介します。

①自由な時間を楽しめない日本人

はじめに12ページ
日本人は、自分たちの労働がもたらしたその豊かさを活用して、生活を楽しむことを学ぶべきでしょう。
有給休暇はきちんととり、自由時間は自分でつかって、教養を高め、旅行をし、世界に目をひらき、情報を交換しあうことが大切です。

フランス人は休みをつくるのがうまいです。

また休みを満喫するのもうまい。

日本人は忙しいのを自虐的に受け入れていますよね。

著者のガツンと響くことばは痛いところを突いてきます。

71ページ
人間は労働するためにのみつくられたものではない。

労働が人間のすべてではない。

社会生活もあれば、家庭生活もある。

文化的な生活を営む権利や余暇を楽しむ権利もある。

つまり、バランスのとれた生き方が求められなければならない。

ところが、日本人にはこういう発想がほとんどない。

この国では、労働こそが最高の価値だとみんなが思い込んでいる。

ごもっとも

なんもいえねぇ。。

②残業文化はダメ

さらに現代の日本人が崇拝する残業に対しても的確な指摘が。

75ページ
「毎日残業するのはいけません。そんなことをしているとどんな結果になるかわかっていますか。

第一に、子供の教育は母親ひとりの責任になってしまいます。

あなたたちは父親失格です。

子供が15歳、16歳の青少年であれば、これは重大な問題につながるかもしれません。

子供が悩みをのりこえて大人になっていくためには、父親の存在が必要なんです。

子どものことばに耳をかたむけてくれる父親、子どもにとって尊敬できる父親がいて、そういう父親としみじみ話をすることが子どもにとって必要なんです。

毎日遅くまで働いていれば、毎日へとへとになって家にかえることになります。

そのあとは、テレビの前にすわって必要以上に酒をのみ、スポーツ新聞をながめるだけです。

今なにがおこっているのか関心ももてなくなってしまいます。これが責任ある父親の姿だといえますか。

それにまた、残業するということはほかの人から労働をうばい、どこかで失業をふやすことになります。

世界的にいれば、労働の量は限られています。すべての人には満足にいきわたりません。

いろんな国で日本人がどんなに批判されているか知っていますか」

「最後に、もうひとつ。

生活のために残業をあてにしていると悪循環になると思います。

そんなことをしていていると、8時間に労働にたいする正当な賃金の要求ができなくなったり、迫力がよわまってきたりするのです。

ようするに、残業というのは労働者を不幸にするものなんです」

残業すると、
Ⅰ父親の役割を果たせない
Ⅱ母親にすべての責任を押し付けることになる
Ⅲ仕事のない人に仕事がいかない
Ⅳ正当な労働条件の要求ができなくなる

というデメリットがあるとおっしゃっています。

正論すぎてぐぅの音も出ない。

③フランス中心主義は健在

日本の女性に対する視線は従来のフランス人同様偏ったフランス中心主義でした。

たとえば女性の労働について

113ページ7行目
日本の女性は、才能がありながら下位にあまんじて、服従し、ほほえみをたやさず奉仕することになれてしまっている。

と語った後、平田さん(男性)という最年長の労働者の話がでます。

・・・・

日本人男性も(フランス人男性以上に)債務おってるじゃん。

女性だけが差別されてるってのは違いますよね。

フランスの世界観じゃ日本の物事は見えてきません。

その後の聖徳太子の17条第10条と日本人の従順さの関係、それに日本のファシズムの話は明らかな偏見でした。

キリスト教は違うんだ!っと弁明しているのも宣教師らしい。

キリスト教の傲慢さ抜きにして欧米諸国の侵略は説明できないでしょう。

さらにこの一文。ありえない。

97
ふつう、フランスではお客さまは王さまだというが、日本はそれをこえて、お客さまは神さまという国なのである。

フランスでは店員さんが王さまですよね!?

フランスにいたとき1度も自分を王さまのように感じたことないんですが。

これはフランスを盛りすぎでしょう。

じっさい日本人がフランスでもっとも苦労するのはこの店員の態度ではないでしょうか。

 

④日本人の服従心への警告

42ページ
日本では会社はひとつの家族のようなものと考えられており、外部の人間はすべて他人、敵、じゃまもの、うさんくさいやつと見なされる。

110ページ
多くの日本人のうつには、ほとんど軍隊的ともいうべき従順さと服従の精神がある。
それを見るたびに、わたしはおどろいてしまう。

この順応主義はあきらかに日本人が受けた教育の成果である、
すなわち、個性をのばそうとせず、青少年が自分自身の良心や判断力にしたがうのを許さない教育の力がそこにある。

111ページ
日本の教育は、同一規格の人間を大量に流れ生産することをめざし、そうした同質性をほこりにしている。
したがって、ちぢれた髪、脱色した髪、赤みがかった髪をした生徒は許されない。

ほんとうの日本人なら髪の色は黒でなければならないというのだ。

小学校から高校までで鍛え上げられた集団への忠誠と服従が会社に入ってから試されるわけですね。

そこでは思考停止しただただ会社のいうとおりに働く。

例外は許されない。

反論なんてもってのほか。

服従心を植え付けられた日本人への警告ですね。

言い方は礼儀正しく優しい。

でも内容はキツいです。

⑤日本社会への賛美ももちろんあるよ

欧米人にありがちな一方的な日本Disりではありません。

日本社会への礼賛もある。

それがこの本の良いところ。

146ページ2行目
できる者がほめられるのは競争社会の常識だけれども、日本ではできない者がその分だけなおざりにされるわけではない。

小学校の運動会を見ていると、参加者の全員にごほうびが出る。

ビリになった子どもがもらうものは、トップの子どもへのごほうびと大したちがいがなかったりするのである。

日本人の視点だけでは日本の改善点は見えてきません。

外国人の視点も必要です。

アンドレ神父の指摘は日本がもっと良い国になれる可能性を示しています。

きついコメントや重い描写もありますがお勧めです。

もっと生きやすく

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