保育園落ちてもフランス死ねにならないフランスの子育て事情




この本すごいです。

章立ては以下のとおり。

第1章 男を2週間で父親にする
第2章 子供は「お腹を痛めて」産まなくてもいい
第3章 保育園には、連絡帳も運動会もない
第4章 ベビーシッターの進化形「母親アシスタント」
第5章 3歳からは全員、学校に行く

フランス死ねにならない理由を知るための目次

1:フランスでは3歳から学校教育がはじまる

pp.7
フランスでは毎年9月、その年に満3歳を迎える子供、つまり2歳9ヶ月から3歳8ヶ月の子供たちが一斉に、「保育学校 école maternelle」に入学します。ここはフランス国内のすべての子供が入学できる週4日半・3年制の学校です。日本の文部科学省に相当する国家教育・高等教育・研究省(以下、国家教育省)の管轄で義務教育ではないものの教育費は無料、2015年時点の入学率はほぼ100%となっています。

pp.159
教材や文房具はすべて学校から支給されます。2016年現在でフランス全土に1万5216校あり、約250万人、つまり3歳児~5歳児の人口のほぼ全員が通っています。

pp.115
最初から保育園枠は考えず、母親アシスタントや共同ベビーシッターを探す人も、少なからずいます。フランスでは合法な契約であれば、保育園以外の保育手段にも補助金が与えられているので、そちらを選ぶ心理的なハードルが低くなっているのです。

つまり、3歳~小学校入学までは

①保育園
②母親アシスタント
③共同ベビーシッター

という選択肢があるのですね。

だから保育園落ちてもフランス死ねにはならない。

2:父親教育とその整備も発達している

pp.42父親に育児をさせなくてはいけない。でも「育児をする父親になる」ことは難しい。だからそれをサポートしようと、国や医療が動く・・・

フランスの父親の育児は進んでいるがそれでも微妙な点があります。
ある男性助産師はこう語っています。

pp.43「家事・育児をやると言っても、結局、自分がやりたいことしか男はやらないからね。子供の送迎とか、公園遊びに付き合うとか。ママと子供を公園に行かせて、自分はその間に掃除と洗濯をするお父さんなんて、まだまだいないもんですよ。面倒な家事はパートナーまかせですから」

3:日本の父親の育児休暇の問題点がわかる!!!

著者である高崎さんは日本の父親育児についてきちょうなヒントを述べてくれています!

これは読むしかない。

pp.51まず日本の育児・介護休業法には、従業員による申し出を企業が拒否した場合の罰則がありません。従わなかった場合には厳しい行政指導が入る、といわれていますが、直接的・金銭的な損失が見えてこない。

pp.52前述の通りフランスでは、企業が従業員の産休を拒むと罰則があります。父親休暇及び育休の手当に関して雇用主の介入はなく、国の社会保険から直接、支給されます。また休暇の長さに関しても、産休の3日間、父親休暇の11日間、それ以上の育児休暇と、異なる選択肢が与えられています。

父親の産休・育児休暇を拒んだ会社には罰則があります。
その有給は国から直接支給される。

国が管理する社会主義国フランスらしいですね。

4:無痛分娩について

無痛分娩もとても興味深い。

日本はこれ見習ったほうがいいのでは?

フランスでは無痛分娩がふつう。

陣痛と産んでからの子育ての方が大変だからその持久戦の為に体力を残しておく。

そのために麻酔を打つ。

麻酔師の数も増加している

厳格なローマ法王も無痛分娩を容認している(フランスはもともとカトリックの国)

日本の無痛分娩の容認・認知の低さ

出産の痛みが軽減されるのは目にうろこですね。

pp.67一方の日本では、無痛分娩に対する容認度・認知度は低いままで、「お腹を痛めて産む」ことは重要な通過儀礼と考えられています。無痛分娩の普及率も低く、日本産科麻酔学会公式サイトによると、お産全体の3%にも満たないとのこと。

むやみにフランス礼賛するよりこういった事実を伝えてくださるほうがメリットがあります。

pp.72子供を持つことと引き換えに壮絶な痛みを感じる必要はない、というのは少子化対策の一つとして、考えられるべき母親支援といえるのではないか。合計特殊出生率を高く維持するフランスの現状に対し、無痛分娩の効能は決して小さくはない、と、経験者として強く感じてしまいます。

これはごもっともとしか言えません。

身体的痛みの伴わない(できるだけすくない)出産は1番たいせつですよね。

むかしは出産は命がけのものでした。

それがいまはだいぶ母親が亡くなる事態は減ってきている。

痛みは負担が減り、将来的には身体的な痛みが無くなることが理想です。

こういったことでフランスが進んでいる背景には男女は男女である前に「人」であるという意識があるからです。

日本だと「女性と男性」という性の意識のほうが強い。

「性差」を尊重しているともいえます。

ただ無痛分娩と父親教育・補助にかんしてはあきらかにフランスのほうが進んでいます。

企業管理職・年配の男性・厚生労働省役員のかたがたにぜひとも読んでもらいたい1冊です。

ほかにもこの本では「保育園と母親アシスタント」について述べられています。

日本とはまったく異なります。

これもフランスでは国が法律で制度と罰則と資格制度と予算をかけています。

目にうろこでした。

著者には感謝のことばしかありません。

5:本の最後の文章がフランスの闇を写しだしてる

著者のさいごのことばがこわいです。

p207最後に、ご注意を促すことを一つだけ。何度も書いてきたように、フランスは階級社会・多文化社会です。ところが人が変われば、「これが同じ時代の同じ国なのだろうか?」と衝撃を受けるほど、生活が異なります。その影響を最小限にとどめるよう、本書では「フランスに正式に居住していれば、誰でも享受できる仕組み」を扱うことに気を配りました。それでも私が生活しているのは。「西欧出自の白人で、フランス語の姓名とフランス国籍を持つ」夫に付随する、中流階級の世界です。どんなに目を凝らしても、ここからは見えない現象は当然のようにあります

フランスに滞在したことのある方ならこの意味が分かると思います。

フランスってほんとうに家庭や階級によって「本当に同じ国民!!??」っておもうほど違うんですよね。

態度も服装も言葉遣いも日本に対する理解も教養も。

日本のほうが個人差・家庭間の格差がない気がします。

「西欧出自の白人で、フランス語の姓名とフランス国籍を持つ」夫に付随する

ここも肝ですね。

フランスってカオスなんですよ。

たくさんの外国人が来て子供を産んで数え切れないほどの文化が入り混じっている。

もともとフランス自体が日本のように共通の文化でつながっているわけではありませんでした。

フランスはラテン系の国です。(本人たちは否定しますがw)

しかしブルターニュ・バスクなんかはラテン系ではありません。

アルザスはゲルマン系です。

だから日本のようにみんな日本系ってならないんです。

琉球・アイヌ・くまそ(鹿児島)の文化が色濃く残っているものとご想像ください。

もともと異文化が濃く残っていたフランスに外国からこれでもかというくらい移民がきました。

だから同じフランスでもぜんぜん違うんです。

著者のことばはほんとうに貴重です。

文章もとても読みやすい。

一文一文にはっとさせられる。

オススメです。

もっと生きやすく

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